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葬儀とお金2「総額で比較」

病院から葬儀社に連絡して、担当者がやってきて見積もりを取ります。

望ましいのは、事前見積もりを複数の葬儀社に依頼し、比較検討していることです。いざ大切な家族が亡くなられてから、複数の葬儀社の見積もりを比較検討するのは、時間的にも精神的にもキツいかもしれません。良い判断ができないかも知れません。そうは言っても、事前見積もりを取っていない方が多いと思います。その場合でも、なるべく落ち着いて見積内容を精査しましょう。

ポイントとなるのは、総額で考えるということです。葬儀の値段というのは、メーカー希望小売価格がないので、何をいくらで売ろうが葬儀社の自由です。極端な話、0円でもいいのです。式場使用料0円なんてよくあるパターンです。単純に考えるために極端な例をあげます。

1~5までの項目で合計50万円という見積もりがあるとします。

A社:①10万②10万③10万④10万⑤10万=50万円

B社:① 0② 5万③10万④15万⑤20万=50万円

何をいくらで売ろうと葬儀社の自由なのです。式場使用料0円と言っても、実際に葬儀社の式場維持費用が0円かと言うとそうではないですよね。地代や光熱費や清掃や修理費用など葬儀社は費用をかけて式場を維持しているので、それを0円で提供しては赤字になります。それでも葬儀社は葬儀をして利益を得ているのですから、式場使用料を0円にした分の失われた利益は、他の項目に上乗せされていると考えるのが妥当です。ですから、ひとつひとつの項目を見て、高い安いと感じてしまう心理を置いておいて、総額で考えることが大事です。

A社:木製の平棺=10万円

B社:木製の平棺=5万円

だとしたら、倍もするなんてA社は高いと思うかもしれません。

A社:白木5段祭壇=45万円

B社:白木5段祭壇=55万円

なら、合計すればA社の方がお得です。見積書の項目を見て、「どんなものが含まれて、全部でいくらなのか」という考え方をするのが、良い方法です。

 

葬儀代金をわかりにくくする要素として、パック料金。基本料金などという、いくつかの項目をまとめた料金設定をしている葬儀社があります。30万円パックとか、基本料金50万円コースなどと、予め金額が提示されてわかりやすそうに見えますが、含まれている中身が葬儀社によってバラバラです。葬儀社側には、このように金額を明示することで、「明瞭な」当社を選んでほしいという戦略があります。と同時に、「低価格な」当社を選んでほしいと、明示するバック料金を抑えがちです。これは、明示するパック、もしくは基本料金に、どんなものを含むかは葬儀社の自由に設定できるので、明示する料金を先に決めて、含まれる内容を後から決めていくというのがセオリーです。たいていは、含まれる内容では葬儀全てを行うことができず、付帯費用、オプション費用などという名目で加算されていきます。

A社:30万円パック+付帯費用30万円

B社:40万円パック+付帯費用10万円

上記が同じ内容になるなら、A社の30万円パックよりB社の40万円パックの方が安いということです。

パック料金でも積み上げ料金でも一緒です。パックや基本料金というのは、お客がわかりやすいように葬儀社が工夫したものですが、その葬儀社の基準で組まれているパックですから、内容が千差万別なのでパックの金額だけを他社と比べても意味がありません。ここでも基本的考え方は同じで、「どんなものが含まれて、全部でいくらなのか」ということで比較することがポイントです。

 

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