寺社探訪

寺社探訪とコラム

ひとり静かに時間を過ごす寺社3選

寺社を訪れる理由は、何かしらの願望が叶うように祈願するということが多いと思われます。しかしそれとは別に、寺社の神聖な雰囲気を感じてリフレッシュすることや、自己を見つめたり答えを出したりする場所にしている人もいらっしゃるのではないでしょうか。木々に覆われた山中の寺社を、空気が澄んだ早朝に訪れると、それだけで心がスッキリします。

今回はひとりで訪れて、静かな時間を過ごせる寺社をご紹介します。都会ではそんな場所も限られていますので、是非参考にしてください。

 

明治神宮(渋谷区)

東京都で1番敷地の広い寺社は? 明治神宮がすぐに閃きますよね。令和の天皇から見て祖父の祖父ですから、数千年の大昔の話ではありません。神話や歴史書物に記され、神として祀られている伝説的な天皇は多くいらっしゃいますが、そんな中でも近代の明治天皇が日本の政治と国民にとって、どれほど大きな存在だったかということが、明治神宮の規模や建立の過程から伺い知ることができます。

初詣の参拝者数は日本一ですが、イベントのない平日は、広いだけに閑散とした雰囲気があります。境内の最深部、横綱が土俵入りを奉納することで有名な、拝殿前の塀と神門に囲まれたスペースにはペンチが設置されていて、そこに座って休むことができます。混んでいると落ち着きませんが、空いているときに座っていると、時の流れがだんだんゆっくりになって、思考が空間を凌駕する感覚がします。

 

豪徳寺(世田谷区)

背の高い黒松の並木道を通り山門を潜るその過程で、既に心の半分以上は洗われて垢を落としてしまいます。豪徳寺曹洞宗の寺院で、禅宗らしく整然と美しく整備されています。そもそも住宅街にあるので、静かで余計な雑念が湧きにくい環境です。

自分以外の何もかもが整っているこの空間に身を置いて、余計な音に邪魔されず、日々の社会生活で知らない間に絡んでしまった思考を、スッキリと解いてみてはいかがでしょうか。本堂横や境内にベンチが置かれていますので、しばらく座って目に映る光景を眺めるだけで、為すべきことへ向き合う気持ちが整う感覚を得られます。

 

築地本願寺中央区

築地本願寺の本堂はあなたのために開かれています。そんな声が聞こえてくるように、誰にも咎められず、気にもされず、大きな本堂に入り、空いている椅子に座ります。何かを観るでもなく、合掌するでも唱えるでもなく、ただ椅子に座って心を鎮めます。これは浅草の東本願寺でも同じで、法要があっても、僧侶のお勤めがあっても、一般の訪問者が心を整えるための席を用意してくれています。好きなだけ座って、好きなときに立ち去れば良いのです。

高い天井の広い空間に、本尊に向かってたくさんの椅子が置かれていますので、好きな席に座って大丈夫です。ここは本当に、自己を見つめ直すと言いますか、心の深い部分を呼び起こすのに最適です。

築地本願寺の境内にはインフォメーションセンターという建物があって、書店やテラス席のあるカフェ、セミナーや講演が行われている多目的ホールもあり、仏教に触れながら時間を過ごせる場所となっています。

 

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