寺社探訪

寺社探訪とコラム

寶登山神社

宝登山神社 目次

名称・旧社格

寶登山(ほどさん)神社と称します。旧社格は県社です。

創建

景行天皇41年(111年)に日本武尊ヤマトタケル)によって創建されました。

ご祭神

神日本磐余彦尊(かんやまといわれひこのみこと=神武天皇

大山祇神(おおやまづみのかみ)

火産霊神(ほむすびのかみ)

みどころ

秩父長瀞の観光地にある神社で、参道にはおしゃれなお店やお土産店が並んでいます。広い駐車場もあり、奥の院へはロープウェイを利用して上がることができ、観光地としても楽しめます。

アクセス

埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1828

秩父鉄道長瀞」徒歩15分

 

探訪レポート

秩父鉄道長瀞駅周辺は観光地化が進んでいて、景勝地だけではない自然を満喫できる施設が集まっています。駅前もよく整備されていて、田舎と自然の良さと、お洒落でスタイリッシュな部分を、調和させているように感じます。

渓谷方面には伝統的な川魚のお店やお土産店が並んでいます。宝登山神社方面は、彩甲斐街道沿いに大きな鳥居が建っていて、そこからは緩やかな坂道を上っていきます。通りの両側には観光客に向けたお店があります。参道の途中には、郷土資料館やトリックアート館があります。

坂を登り切った辺りは広い駐車場がありますので、車で来られる方も多かったです。やはり中国からの観光客が多いことに驚きます。

ここに正統派のお土産屋さんがあります。店頭で団子も焼かれていて、香ばしい匂いが食欲をそそります。

ここに立派な松の木が2本植えられています。相生の松と称する黒松と赤松だそうで、昭和天皇が皇太子(東宮)だった大正13年1924年)に、ご成婚を祝して植えられたのだそうです。

二之鳥居です。白い鳥居が珍しいです。ここを通ると、観光地から一気に神域という雰囲気になります。

まずは手水舎で心身を清めます。

境内はかなりの階段の上にあります。

こちらは神楽殿です。神楽は神々による人々の幸福のための踊りだったり、人々の神々に対する祈りの踊りだったり言われています。秩父地方に6系統ある中の「秩父神社系」を継承しているそうです。例祭と正月と節分に披露されているとのことです。「神人和楽」と扁額に書かれています。神楽の神髄のような言葉ですね。

権現造りの本殿は、色鮮やかな極彩色が施されて、非常に美しく、神威を感じます。お祀りされているのは、神日本磐余彦尊神武天皇大山祇神火産霊神の三柱です。日本武尊が東征の後、宝登山の美しさに立ち止まり、山頂を目指しますが、途中で火事にあってしまいます。そこに神犬が現れて助けられ、神犬の案内で登頂し、そこに先祖である神武天皇と、山の神、火の神を祀ったことが創建の由緒です。同じ秩父三峰神社に伝えられる歴史と重なる点が多いですね。

神仏習合の時代には別当寺の玉泉寺が宝登山神社を管理していたそうですが、本殿の改修工事を行っている間に明治維新を迎え、廃仏毀釈神仏分離令の中を玉泉寺が宝登山神社を改修するのは、相当な困難があったとのことです。現在では宝登山神社が玉泉寺を管理している状況ですが、真言宗智山派の寺院として宝登山神社社務所の隣に存在しています。

これらの彩色は平成21年に鎮座1900年の記念事業として施されたそうです。ちなみに、火事にあった日本武尊を、山犬が現れて火を消し止めて山頂へ導いたという伝説のために、この山は火止山と呼ばれ、それが宝登山になったそうです。秩父のみならず、奥多摩御嶽神社にも日本武尊と山犬の伝説があります。御岳神社大口真神(お犬様)のお札は有名ですが、宝登山神社でもお犬様のお札が授与されています。

ロープウェイに乗って行く宝登山の頂上エリアには、宝登山神社奥宮があります。日本武尊が最初に御祭神を祀った場所です。今回は訪問していませんが、いつか行ってみたいと思います。

境内社を巡ってみましょう。こちらは天満天神社です。天神様なので、菅原道真公をお祀りしています。言わずと知れた学問の神様です。特に子どもたちの学業成就などを願う行事が盛んであったと説明板に書かれていました。天神様の縁日に子どもたちが集まり、書道をしたり、カルタや双六などをしたりという行事が行われていたとのことです。

こちらが日本武尊社です。八十八夜(5月2日)に例祭が行われ、日本武尊を神輿に遷座させて、山頂の奥宮まで向かうのだそうです。奥宮て祭礼を行い、神楽が奉奏されます。

少し山の中へ入っていきます。橋がかけられて、赤いのぼり旗が並んでいます。神仏習合の雰囲気が残る宝登山神社ですので、「稲荷大明神」ののぼり旗になっています。橋を渡って向かいます。

正しき稲荷社の様相を呈しています。宝玉稲荷神社と称するそうです。まさに宝登山神社と玉泉寺の習合ですね。文政5年(1822年)に京都伏見稲荷大社から勧請したお稲荷様です。宝玉稲荷神社ののぼり旗もそうですが、よく神社の名前の前に「正一位」と書かれています。これは神社にも位階がつけられていて、神階というのですが、京都伏見稲荷大社正一位に列せられていました。ですから、京都伏見稲荷大社のご祭神を勧請した神社は、皆「正一位」を名乗ることができるということです。

水神社です。宝登山から湧き出る水をお祀りしているとのことです。飲用は自己責任でと注意書きがありました。

こちらは招魂社です。長瀞町出身者で、明治大正昭和の戦争で亡くなられた方々をお祀りしています。お彼岸に慰霊祭を行っています。神仏習合を感じますね。

この他にも境内には近隣各所にあった8社を合祀した藤谷淵神社や、玉泉寺の施設として「仁義」の扁額を掲げた山門、不動明王をご安置している護摩堂などがあります。授与品がひとつひとつパワーを感じるもので、種類も多いので社務所で見比べながら選ぶのも楽しいと思います。

 

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