名称・寺格
慈高山 金剛院と称する、高野山真言宗の寺院です。寺格は別格本山です。
創建
天正4年(1576年)に僧真清によって、明王院という名で創建されました。寛永8年(1631)に現在地に移転し伽藍を整え、金剛院と改称しました。
本尊
みどころ
八王子駅から徒歩圏内ですが、日頃は静かな寺院です。枝垂桜や蓮や紫陽花が咲く季節に訪れると、一層気持ちが豊かになることでしよう。
アクセス
東京都八王子市上野町39-2
JR中央線「八王子」徒歩15分
探訪レポート
JR八王子駅から歩いて行ってきました。境内はだだっ広い印象です。入ると右側に整備された庭と寺務所的な建物がありました。各種受付は全てこちらで良いようです。真言宗も多くの宗派に分派しています。関東では真言宗豊山派や真言宗智山派が多いのですが、高野山真言宗は高野山金剛峯寺を総本山とする、真言宗の中で最大の宗派です。
蓮を植えた鉢がたくさん並んでいました。花が開く季節には壮観でしょうね。金剛院は高野山真言宗の別格本山という寺格です。南関東では金剛院だけなので、宗派の核を為す寺院のひとつです。他に東京都心に総本山金剛峯寺の東京別院があります。
さらに進むと大きな枝垂桜がありました。「ギオンシダレサクラ」と命名されています。京都祇園と言えば舞妓はんと八坂神社ですが、八坂神社の裏側に隣接している円山公園の桜から種を取って育てた桜だそうです。
境内の右側には様々ありますが、左側はこのように広々しています。これから何でも建てられそうですが、有効に活用したい場所です。現在は骨董市などイベントに利用されているようです。
そんな有効活用のひとつがこちらのお堂だと思われます。こちらの六角堂は福聚堂と名付けられています。八王子七福神めぐりのうち、金剛院は福禄寿の担当になっています。堂内の厨子は二段重ねになっていて、前段に福禄寿、後段に観音菩薩がご安置されています。
福聚堂の隣に手水舎がありました。
金剛院は昭和20年に空襲で伽藍を焼失していて、現在の本堂はコンクリート造りで、歴史を感じるものではありませんが、大きくがっしりとした立派な本堂です。
本堂前では常香炉にお線香を奉納できます。金剛院の本尊は不動明王です。金剛院の前身である明王院は、そもそも不動尊を祀ったの不動堂から始まりました。道路を挟んだ反対側に天満神社がありますが、神仏習合の時代は金剛院の鎮守社だったようです。
本堂の左側に摩尼車がありました。真言宗ですから、光明真言が刻まれています。一度回すと光明真言を唱えたことになります。
更に奥へ行くと、道祖神がありました。
こちらは道路を挟んだ反対側にある「時の鐘」です。念仏院という別のお寺の管理なのだそうです。八王子の地域の方々によって元禄12年に鋳造されました。八王子の人々に時を知らせてきた鐘は、今でも除夜の鐘で使用されています。案内板に「九つ、八つ、七つ」という江戸時代の時の数え方が載っていましたが、さすがに現代人には感覚的に難しいです。
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