寺社探訪

寺社探訪とコラム

晴明神社

晴明神社 目次

名称・旧社格

晴明神社と称します。旧社格は村社です。

創建

寛弘4年(1007年)、安倍晴明の没後、一条天皇により創建されました。

御祭神

安倍晴明

みどころ

平安期に活躍した陰陽師安倍晴明を祀った神社です。神道で祀られていますが、陰陽道独特の雰囲気が境内に伺えます。

アクセス

京都市上京区堀川通一条上ル晴明町806

京都市地下鉄烏丸線今出川」徒歩12分

 

探訪レポート

堀川通に面して一之鳥居が建っています。扁額には五芒星が掲げられています。これは晴明桔梗という社紋だそうです。陰陽道には「陰陽五行説」という考え方があって、安倍晴明はそれを五芒星の形で捉えていて、魔除けの呪符として多用したのだそうです。一之鳥居を抜けると、一条戻り橋のミニチュア版が架けられています。実際の一条戻り橋はここより少し南の、一条通が堀川を渡る場所に現在も存在しています。晴明神社の一条戻り橋は、かつての一条戻り橋の部材を利用しているそうです。

橋の横に式神の石像が置かれていました。晴明は十二神将式神として使役していたと伝えられています。式神陰陽師が使役する鬼神のことで、人の目には見えないのだそうです。家に置くと晴明の妻が怖がるので、一条戻り橋の下に隠していたのだそうです。見えない方が怖いのかもしれません。

こちらの二之鳥居をくぐると境内に入ります。鳥居の後ろにもう一つ鉄製の門があります。五芒星が付いている門ですが、これは四神門と言います。晴明神社安倍晴明の居住地に建立されているので、晴明が活躍した当時も、ここには門があったそうです。朝廷の使いが現れると自動的に開き、門から出ると閉まったそうです。

四神門の支柱には四神のプレートが埋まっています。こちらは東の青龍と南の朱雀です。反対側の支柱には西の白虎と北の玄武が掲げられていました。ゲームや映画やアニメの影響で、陰陽師=魔法使い的なイメージですが、陰陽師は現代の国家公務員にあたる職業です。陰陽師が導き出す吉凶を参考に国家を運営していたんですね。方角や数字や天文は陰陽師が占いをする上で重要なメソッドで、このように至る所に散りばめられています。

まずは手水者で心身を浄めます。式神的なモノから水が注がれるのを予想していましたが、オーソドックスに龍の口から流れていました。

手水舎の奥にある「晴明井」というものです。晴明が念力で湧出させたのだそうです。弘法大師みたいですね。こちらから見ると五芒星のちょうど頂点のところが注ぎ口のようになっています。そして、土台の周囲に十二支が書かれています。この井戸の上部は回転する仕組みになっていて、その年の恵方に注がれるようになっています。秀吉の時代には千利休の住居があり、この水を茶の湯として使用していたそうです。

御神木の楠です。推定樹齢300年とのこと。

晴明の伝説的な活躍をパネルにして紹介しているもので、顕彰板と称します。野村萬斎さんが演じた「陰陽師」という映画は、まさにこのような晴明の魔術師のような活躍を描いたものでした。最近AmazonPrimeで観た「陰陽師0」は、陰陽師はそもそも国家公務員で、階級もあれば出世レースも激しいですよということを表現した作品でした。

安倍晴明像です。これは袖の下で印を結び、星空を見ている姿なのだそうです。占いというのは学問と同じで、法則を覚えて活用して回答のひとつを導くものかなと思います。法則を選んだり活用するタイミングが、それぞれのセンスによって違うのだと思います。晴明は天文学を学んだことで計算が得意で、主計権助という役職を得ています。

本殿はこの奥にあって、この拝殿からお参りします。陰陽師とはいえ神道で祀られていますから、二礼二拍手一礼の作法でお参りします。安倍晴明は稲荷神の生まれ変わりという噂があり、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)が合祀されています。晴明は長生きで、85歳で亡くなるまでに6代の天皇に側近として仕えたそうです。

拝所のとなりに厄除桃がありました。訪問時に小学生の集団がいて、嬉々として桃を名で回していました。桃は魔除け、厄除けの力があるとされています。桃太郎の伝説も、桃のそのような霊力から創作されたとのこと。感覚としては、自身が持っている厄を、この桃に撫で付けるのだそうです。

その隣にもうひとつ拝所があって、こちらには斎(いつき)稲荷社、地主社、天満社が摂末社として祀られています。斎というのは、加茂の斎院から名付けられています。そちらの方にあった稲荷社だそうです。天満社には菅原道真が祀られています。晴明の時代には道真の怨霊の全盛期と申しますか、きっと陰陽師の仕事上、何度も道真の怨霊と向き合ったことでしょう。ともあれ、季節や星や方角など事象を定義づける方法をいくつも知っていれば、人生を大事に正しく生きていけそうな気がします。

 

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