寺社探訪

寺社探訪とコラム

「初詣に行く 2025」

新年おめでとうございます。

年始には毎年初詣に行くことにしています。混雑が苦手なので、初詣は1月3日の午後というのが私のスタンダードです。

昨年同様、今年も靖国神社に行ってまいりました。靖国神社の境内にはトイレが各所に設置されていますが、一部の中国人が靖国神社の石標をトイレだと主張して小便をかけるので、柵で囲われていました。それにしても九段下駅から一之鳥居までの間は政治宗教カオスというか、ビラ配ったり署名求めたりで、なぜここで? といつも感じます。

昨年の終戦記念日に訪問して以来ですが、まさにその日に新型コロナウイルに感染したと思われます。新年なので嫌な過去を塗り替えたいものです。いつも私が絶賛するさくら陶板です( ↑ 京都府 )。遠く南方の地で「靖国で会おう」と言い交わして、日本に残した大切な人たちのために命を捧げた人たち。彼らが戻る靖国に、日本の象徴である桜を象った陶板を、47都道府県の陶工がその土地の土を使って制作しました。

数年前のコロナ自粛社会では見られなかった、出店がたくさん並んで賑わっています。世の中の物価高騰の影響で、出店もびっくりするような値段になってきましたね。簡単には手が出せないです。

まずは手水舎で心身を浄めて、拝殿に向かって歩きます。神門に龍が描かれた大凧が奉納されていました、龍は去年で今年は蛇なのですが、特に関連無く奉納されたのですかね。

途中で納札所がありましたので、昨年いただいたお札を返納しました。靖国神社では神社の方が直接受け取るシステムです。私の住む地域の神社では焚き火に自分で投げ込むシステムでした。

3日の午後とはいえ、そこそこの行列になっています。昨年の並んでいる間に聞こえてくる周囲の雑談大賞は、「お賽銭は500円玉が最大の効果(硬貨)」でした。今年は、右隣りの大学生くらいの男性とその父親の会話と、左のアラ還夫婦の会話が聞こえています。両組とも目の前の拝殿で行われている昇殿参拝(正式参拝)を話題にしていました。「奥に見える本殿に上がれるのは正月だけで、通常は閉まっている」「昇殿参拝できるのは事前に申し込んだ特別な人だけだ」という会話が聞こえてきました。実は靖国神社では一年中いつでも誰でも昇殿参拝(正式参拝)できるので、もどかしい思いでこの会話を聞いていました。(昇殿参拝には5000円~のご志納が必要です。)

 

寺院や神社の中には開かれている寺社や、内向きに閉じている寺社があります。靖国神社は思い切り開かれている神社なので、気軽にお参りすることができます。お祀りされているのは日本が近代化していく中で、内戦や世界との戦争で亡くなられた方々の英霊です。神社の境内には遊就館という資料館がありますので、そちらを観覧すると靖国神社の意義がわかるようになっています。

お参りを終えると、授与所エリアになっています。おみくじや御朱印は行列ができていました。ここで新しいお札を求めました。お守りなどもありましたが、私はお守りは寺院で求めるようにしていて、神社では神棚用のお札をいただいています。

こちらは遊就館のさらに奥の参拝者の休憩スペースです。どんなに混雑していても、この辺りは空いていることが多いので、だいたい私はここでひと息つく感じです。自販機であったかいコーヒーを買ってベンチに座ってしばらく過ごしました。

さて、靖国神社はこれまでに何度か当ブログでレポートしていますが、これまで全くレポートしていないゾーンをご紹介したいと思います。先ほどの参拝者休憩スペースからさらに奥に進みますと、茶室が3軒建っているスペースがあります。神社だけでなく寺院にも茶室を備えたところが数多くあります。

 「洗心亭」「靖泉亭」「行雲亭」という3軒の茶室では氏子でなくても参加できる、裏千家の先生方による茶道教室も開かれています。

柵があって近づけませんでしたが、靖国神社には相撲場があって、現在でも毎年日本大相撲協会の奉納大相撲が開かれています。正面に見えている建物は啓照館と称し、大相撲の際は楽屋として使用されています。建物の左側に土俵と観客席がある広いスペースがあります。

このエリアは神池庭園と呼ばれていて、景色が美しい場所です。本殿の裏側にあたる神苑にあって、訪れる人もまばらです。本殿の表側では大勢の人が行列を作っているとは思えない静けさです。

神池庭園の周囲に茶室が点在している感じで、最後に洗心亭があります。立ち入り禁止になっていますが、よく手入れされた庭が美しいです。

その奥も道が続いています。靖国神社明治神宮に次いで、東京都で2番目に広い神社なのです。一之鳥居から拝殿までの賑わう参道の裏側に、このような場所が広がっていることを知らない方も多いのではないかと思います。本殿の裏をぐるーっと巡る散歩道のようになっていますので、歩いていてとても心地良いですよ。

こちらは「憲兵の碑」です。憲兵というのは軍事警察のような感じで、戦争中は占領地に赴いて、現地の治安維持や行政や独立支援まで行っていました。国内においても活躍していたのですが、昭和20年の東京大空襲から靖国神社の神殿を挺身護持したのも憲兵だったそうです。

こちらは梅林です。2月中旬から3月にかけてが見頃のようですが、昨年は1月下旬から見頃となっていたそうです。

海軍経理学校正門敷石とのこと。海軍を支えてきた海軍主計部の基幹要員を輩出した海軍経理学校は明治7年に設置された海軍会計学舎から始まり、昭和20年までの71年間に渡って輝かしい功績を挙げてきました。その中には国に殉じた人も多く、海軍経理学校の同窓会によってその正門の敷石が奉納されています。

東京で2番目に広い神社というのは伊達ではなくて、まだまだ続きます。ほぼ誰もいないので本当に心静かにのんびり歩くことができます。

こちらは境内社です。鉄柵の中にあって通常は入ることはできません。鉄柵の中に手を突っ込んで撮影しましたが、左側が鎮霊社で右側が元宮です。どちらも戦争や歴史事変で亡くなられた方をお祀りしています。

神道無念流の練兵道場跡の石碑が建っています。「神道無念流」というのは「一刀流」や「新陰流」と同じく剣術の流派のひとつです。靖国神社の境内に剣術道場があったのか? と言うとそうではなくて、道場が隆盛していたのは1850年あたりで、靖国神社が創建される前のお話です。

こちらが一体何なのかよくわかりません。鳥居があり、柵があって立入禁止になっていて、奥の方に麻縄と紙垂で囲まれた空間に小さな小さな祠のようなものが見えました。

さて、社殿の裏側のエリアを一周して拝殿前に戻ってきました。お正月の特別な奉納が展示されていました。こちらは「全国神社奉納絵馬展」とのことで、たくさんの神社の絵馬が飾られていました。

その隣には大きな蛇の大絵馬が奉納されています。昭和53年から奉納され続けているものだそうです。巳年らしいものが見られました。

こちらは奉献酒銘柄展です。私はそんなに詳しくないのですが、どちらかと言うとメジャー級ではない蔵元が多かったように見えました。それにしても凄い数ですね。

靖国神社で参拝を終えて、自宅の最寄り駅近くの神社でもお札をいただきました。神宮大麻破魔矢もいただき、今年の神棚にお祀りするものが揃いました。徳利や水玉や小皿も洗って綺麗にし、洗米、御神酒、水、塩も新しくします。神棚もきれいに拭き掃除して今年の神棚を完成させました。

 

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