
いつかは行ってみたいと思っていた、新年一般参賀にやってまいりました。実は数年前に1度チャレンジしたのですが、コロナ禍で数十倍の抽選に漏れてしまったのです。現在は抽選無しで参加することができます。

有楽町線桜田門駅に到着したのが9:15頃。これが正解なのか間違いなのかわかりませんが、相変わらずの無計画で来てしまいました。とにかくすごい人らしいので、午前中に入れるのでしょうか? 後でニュースを見ましたが、この日一般参賀に訪れた人は6万人とのことでした。

桜田門を通って皇居前広場に向かいます。初めてなので勝手が分からないのもありますが、皇居の近くに行くと緊張してしまいます。

ボーイスカウトの子どもたちが紙の日の丸を配っていたので、お礼を言っていただきました。TVで見ていると、お出ましの際に皆さん日の丸を振っています。これは各自持参しているのかと疑問でしたが、さすがに配布されていました。

皇居前広場には既に多くの人々が行列をなしていました。私は手荷物検査を受ける前の列に並んでましたが、行列はピクリとも動きません。前方には数え切れない人がいます。ちなみに手荷物検査はそこまで厳しくなく、私のスカスカのリュックを覗かれて、飲み物を持っているか聞かれました。これは地下鉄サリン事件の影響なのですかね。一応金属探知機でボディチェックもされますが、空港で受けるチェックの方が厳しい感じです。

トイレに行くと手荷物検査から並び直しということです。行けないとなると行きたくなるのが人の常。とにかく寒くて手足が冷えます。ネックウォーマーを持ってきて大正解でしたが、悩んだ末に手袋を置いてきてしまったことを後悔しました。来年初参戦する方は、寒さ対策を心掛けてください。

行列は動きだすと、一気に前へ進みます。正門石橋を渡り、日頃は入れないエリアに向かいます。

正装をした皇居護衛官が立っていました。ロンドンの近衛兵は世界的に有名ですが、日本の護衛官も格好いいですね。ただ、ここに立っているだけでは相当寒いと思います。

二重橋を進みます。ザクザク進むので、立ち止まって写真を撮ると注意されます。歩きながらパシャパシャ撮るのですが、自分の目にも焼き付けたいので気分的には慌ただしいです。

二重橋から皇居前広場を見ると、信じられないほどの群衆が見えました。天皇家の人気って凄まじいですね。国民の象徴との位置づけですが、まさにアイドルのようです。天皇は世界にひとりで、その存在は各国との政治的関係に大きな影響を与える力を持っています。天皇制不要の説もありますが、私は伝統を守るという観点以外にも維持する価値が大いにあると思います。遠目に姿を見られるだけで、これだけの人を集めてしまうのですから。

海外の賓客を天皇が迎える際に、この長和殿前の広場はよくニュースに登場しますね。TVで見た通りの風景が目の前にあると、不思議な感動を覚えます。

私が入れたのは11:00の2回目でした。1時間半ちょっと並んだことになります。二重橋から見たあの群衆を思えば、良い時間選択だったように思います。広場に入ると、既に中央の特等席は埋まっていて、後ろの方で左右に広がることになります。中央の前の方は前回の参賀の人が帰らずに残っていて、中央の方に行きたければ2回分粘らなくてはいけないようです。

すると天皇と皇族方が現れました。私は左側に立っていたので、彬子女王殿下が一番近くに見えました。飾らない才女として人気のある方ですね。私にとって天皇というと昭和天皇で、今上天皇は天皇の孫という認識が強いです。陛下のお言葉がありましたが、当然ですが当たり障りのない誰にも無害な言葉でした。それでも語りかける意識が伝わって、聞き終わると妙な感動がありました。

陛下のお言葉には皆さん日の丸を振って応えます。各所で「天皇陛下万歳!」という声が聞こえます。安倍元総理が在任中に即位の礼で万歳をしていましたが、万歳は手の平を縦にするんだとこの時知りました。

いわゆる「お手振り」です。ただ手を振っているだけでも、それぞれ個性が伺えます。天皇皇后両陛下は国民と対峙することに慣れているからか、穏やかで距離が近く感じられました。愛子内親王殿下も信子妃殿下と楽しそうに話をしていて、親しみやすい印象でした。秋篠宮家はご近所で有名な厳しい家庭のごとく、ピシッとしている印象でした。最も溌溂としていたのはやはり久子妃殿下でした。東京オリンピックを誘致した立役者で、国民的人気の才女です。きっと根が明るいのでしょうね。

それにしても女性ばかりです。悠仁親王殿下に数千年の系譜の存続が圧し掛かってしまって気の毒です。他の未婚の女性皇族も、結婚=公務を捨てるというイメージがあって、皇族を抜け辛いのではないでしょうか。本音を語れない世界でしょうけど、私自身は皇室を出たい人は、誰に気兼ねなく出たら良いと思います。たとえ悠仁様の次に男系天皇の継承者がいなかったとしても、歴史に倣い、遡って男系の系統を維持することは可能ですから。ただ、民間人がいきなり天皇になることになりますが……。
さて、お出ましは5分ほどで終了しました。混雑苦手で限界寸前だった私は足早に帰路に向かいます。それでも「今度は近くで表情まで見たい」と中央の特等席に移ろうとする人もいました。外で待っている人が大勢いるので退出してくださいと一応アナウンスは流れていましたが、欲深い人には聞こえない仕様になっていました。

坂下門へ続く道は大混雑。たった5分のために、こんなに人が集まったのです。凄いですねぇ。若いカップルが近くにいて、いつも職質されて困ると言っていた彼氏は、いつでも職質されそうな風貌でした。一般参賀の興奮が冷めないようで、関西弁で彼女にまくし立てていました。若い人が天皇や皇族をどう思っているか、私も興味津々で聞き耳を立てていました。彼曰く「天皇は姿勢が良くて堂々としてる。でも偉そうに見えなくて逆に優しさを感じる」のだそうです。他の皇族方についても褒めちぎっていて、立派な右翼になる素質を感じました。彼は毎年一般参賀に来ているようで、「今年も頑張って働こう」という気持になるのだそうです。ただ、「まずは就活から……」とのことでした。彼の話を聞いていて印象的だったのは、今回彼は天皇に会い、愛子様に会い、悠仁様に会ったという表現をしました。私的には「会った」というより「見た」という印象でした。

平民の私が5分間天皇を「見る」ためには、これほどの警備に囲まれて、これほど長時間待たなければならないのですね。それでもたった一人の天皇と十数名の皇族が、1億2000万人の日本人に安心や希望や経済効果を与えているのは事実です。職質彼氏ではないですが、弥栄を祈るつもりが、何かを与えられた気持ちになりました。
ともあれ、良い経験でした。
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