寺社探訪

寺社探訪とコラム

寺社+公園 3選

公園の中に寺社があるのか、寺社の境内が公園なのか。かつて広大な土地を持った寺社も、現代社会では都市計画と共に様々に変容し、広すぎた土地が公園になって、市民の憩いの場となっていることがよくあります。

そんな訳で公園と重なるように存在している寺社は、東京都内でも結構あります。憩いと信仰に安らぎを求める人々が集う公園と寺社の中から、オススメしたいものを選んでみました。

 

寛永寺上野恩賜公園

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寛永寺天台宗大本山(関東総本山)で、徳川将軍家菩提寺として家康・秀忠・家光の三代に仕えた南光坊天海が創建した寺院です。現在の東京国立博物館の場所に本坊があり、上野公園の噴水広場には根本中堂がありました。現在の上野公園を超える広い境内地を持ち、皇族が歴代貫主を務めるなど強大な権力を誇っていました。明治維新では上野戦争の戦地となり、焼け野原になり廃寺寸前になりましたが、明治時代の間に復興の道を辿っています。

上野公園は博物館や美術館、動物園や不忍池などを敷地内に抱える巨大な公園です。上野動物園ひとつとっても日本の歴史と深く関わるドラマティックな施設ですが、寛永寺の境内だったことで、弁天堂や清水観音堂、上野東照宮などの寺社も敷地内に有しています。噴水広場では毎週のようにイベントが開かれ、多くの人々が上野公園を訪れ賑わっています。

 

②井の頭弁財天+井の頭恩賜公園

井の頭弁財天は近くにある天台宗大盛寺の境外堂宇という位置づけです。おそらくは井の頭池がまずあって、そこに弁天信仰に基づくお堂が建立され、寺院化して大盛寺の一部となったという流れだと思います。井の頭弁財天の創建は平安中期、源経基によるとされています。周辺地域に道標など各所に残されていることから、江戸時代に流行った〇〇詣でのように、人々が遠方からも井の頭弁天を訪れていたのだと思われます。ちなみにここではお寺でパンパン問題が発生しています。弁財天は神道でも祀られますが、天台宗寺院なので仏教です。合掌してお参りしましょう。

井の頭公園神田川の水源として、江戸市中の飲料水の確保を支えてきた井の頭池が中心となる都立公園です。住みたい街ランキングで長年に渡り1位になっていた吉祥寺の街からほど近いこともあり、毎日多くの人々で賑わっています。公園内には三鷹の森ジブリ美術館北村西望彫刻感館、スポーツ施設や動物園などがあります。

 

①十二社熊野神社新宿中央公園

十二社熊野神社は、西新宿の摩天楼に囲まれつつも新宿中央公園に隣接する、都会と緑が共存するようなロケーションにある神社です。中野長者と言われた鈴木九郎が、故郷和歌山の熊野権現を勧請したことが創建の由来です。派手さはありませんが、広々とした空間で静かに境内を歩いて回ることができます。手水舎は季節によって凝ったデザインの飾り付けを施していて、訪れた人々を楽しませてくれます。

私が学生の頃、西新宿はホームレスの街で、新宿中央公園はその象徴のような場所でした。行政の努力でホームレスが仕事を得て経済的に独立して公園からいなくなった、という訳では無いと思います。そこには行政とホームレスと彼らを支える人々の激しい闘争の日々があったはずです。そんな歴史の先に現在の新宿中央公園があるのだと思うと、かつて戦場だった南の島のビーチで現代の人々が海水浴を愉しんでいるような、妙に居心地の不安定な感覚がします。

 

今回挙げた3選の他にも、明治神宮と外苑など、公園と一体化した寺社は数多くあります。荒川や多摩川の巡礼企画で過疎地の寺社も訪れましたが、常駐の管理者がいなくなった寺社を維持するために、公民館や児童公園を境内に設置しているのを多く見かけました。寺社も公園も人々が安らぎを求めて集う場所であることは同じなのですね。

 

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