私は胃潰瘍を11年間我慢したバカ者なのですが、最終的に耐えきれずに駆け込んだ病院で、門前払いになったという経験があります。
厚生労働省が推進する地域医療支援システムというものがあって、いきなり大きな病院に行っても門前払いになってしまいます。まずは町のクリニックで受診して、町のクリニックで行えない検査や治療を行う場合に、紹介状を書いてもらって大病院に行くというシステムです。厚生労働省が認定した「地域医療支援病院」と町のクリニックが、役割分担をして連携することで効率良く地域に医療が行き渡るようにという狙いです。
現在私も町のクリニックと大学病院に通っていますが、この2つの病院が遠く離れているので、全く連携していません。これが悩みどころのひとつで、2人の主治医の間で気を揉むことが多いのです。

私は一昨年に大学病院で大きな手術を受けたのですが、そもそもその手術に至る病気を発見してくれたのは近所のクリニックの先生です。その際、近所のクリニックから地域医療支援病院として、都立病院を紹介してもらいました。そして、様々な検査を受けた結果、都立病院では私の治療を行えないということになりました。先進設備のある大学病院に行く必要があるとのことで、都立病院の先生が探してくれた大学病院に紹介状を書いていただきました。片道2時間かかるその大学病院で何度か入院治療をしました。数年後、大学病院の主治医が同じ大学病院の本院から分院へ転勤することになり、私も主治医に着いて分院へ転院することになりました。それが現在も通っている大学病院です。
本来なら「町のクリニック ⇔ 地域医療支援病院」の連携のもとで治療を受けるのが良いのですが、私の場合「近所のクリニック → 都立病院 → 大学病院本院 → 大学病院分院」と紹介されていったので、連携が取れていないんですよね。この大学病院のシステムでは、紹介患者の情報は紹介元に送られることになっているようです。ですから、現在の私の治療情報が贈られるのは、紹介元の大学病院本院の主治医に対してなのです。でも、その人は現在の分院の主治医と同一人物なので、当然ですが私の治療情報が本院に送られることはありません。

これは私が本院に通っている時から同じで、入院治療をすると、大学病院から分厚い資料が都立病院へ送られていたのです。しかし都立病院としては、私は右から左へ素通りしただけで、もう来ることがない患者なのです。そんな資料をもらっても、何の役にも立ちません。大学病院にはこのことを説明したのですが、それでも紹介元の都立病院へ送るルールになっているそうで、町のクリニックの先生の所へは送られませんでした。
町のクリニックの主治医の立場で私の治療を見ると、全くもどかしい限りです。病気を発見して紹介状を書いたが、どんな病状でどんな治療を受けているのか、全く情報が入って来ないのです。いきなり入院したり大きな手術を受けたりして、いったいどうなっているんだよこの患者? と問いたいことでしょう。毎月薬をもらうために通っていますが、手元に何の情報も無いのに、話を聞いたり意見したりすることが、後々責任問題になってもいけません。責任の所在は大学病院側にしておいて、主治医なのに何も知らない何も言えないというジレンマを抱えながら、対処療法的に薬を出すのみになっています。
私としても、大学病院で治療や検査を受けまくっているのに、そのひとつとして町のクリニックの先生は内容を知らないのだと思うと残念です。私なりに説明はしますが、どうしても素人の説明になってしまいます。画像や数値で説得力のある解説ができたら良いのだけど……と、いつも思います。でも、これを大学病院にお願いするとお金かかりそうだし、もう何年も経っていて今更な気もします。

そんな訳で、治療方針の決定や各種検査や診断は大学病院の主治医の役割で、血液検査の数値を見て薬を出すのが町のクリニックの主治医の役割になっています。
大学病院の先生も町のクリニックの先生も、私の病気について、お互いにどんな考えで接しているのかを聞かれることはありません。「それはあちらの先生にお任せして……」という感じで、なるべく干渉しないようにしていて、地域医療連携の理念からは懸け離れている状況なのです。
(※ 写真はイメージのためのフリー素材です)
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