2024年の日枝神社の山王祭(神幸祭)を観に行きました。都心を総勢500名、300mの長さの行列が通ります。前回は私が見た神幸祭の様子をお伝えしました。今回は山王祭の公式HPの情報を基に、「神幸行列」の詳しい様子をお伝えいたします。撮影場所は丸の内仲通りです。
この日は金曜日。お昼過ぎの丸の内仲通りには行列を迎える多くの方々が集まっていて、皆さん同じ方を見ながら今か今かと待ち構えています。
・日枝神社の役員らしき方が2名徒歩
・警視庁のミニパト
・荷台がお囃子トラック
見た目に風流ですが、トラックの荷台で集まってお囃子は暑いと思います。さてこれから神幸行列がやってきますよ。
第一梯団
・先導神職
・沓持(くつもち)
・副宰領(兜をかぶった武将風の人)
・竹棹持(たけざおもち)
沓持というのは、現代風に変革した昭和天皇の大喪の礼でも省略されず、常に葬列には沓持が付いていました。神事には欠かせない重要なものなのでしょう。その後ろから台車に乗った太鼓が進みます。
・諫鼓鶏(かんこどり)
・太鼓
この台車に乗った太鼓は諫鼓(かんこ・いさめのつづみ)と称します。中国の神話時代のお話で、君主に対して諫言しようとする民衆に打たせるために設けた太鼓のことです。しかし、善政が続き太鼓を打つ必要もなく、鶏が逃げずに止まっているという伝承なのです。大坂の夏の陣を平定した徳川2代将軍秀忠が日枝神社の山王祭の前に、太平の世を祝って諫鼓鶏の山車を、末代に至るまで一番に渡せと命じたそうです。
・口取り
・祭典副委員長(ブチコに乗った人)
・金棒(青い装束の方々)
・高張提灯「日枝神社」
やはり神事では白毛馬が重宝されるみたいですね。
・御幣(ごへい・みてぐら)
金色のギザギザに折ったものです。皇居坂下門前で行われた神事では、3基の神輿の前に捧げられていました。
・鼻高面
・朱傘
・賛者
天狗のような面を被った方が進みます。付き人が朱傘を掲げていますので、格の高い役割として登場しているようです。その後ろからは青い装束の方が大祓いを持って続いています。赤の装束の方含め「賛者」と呼ぶそうです。
・大真榊
榊は神様と人の境の木だからサカキと称するという説もあって、神道では欠かせないものです。神道の葬儀でも大真榊を祭壇の左右に配することがあります。
・錦旗
・大幟
・口取
・禰宜(ねぎ)
・沓持
白い旗は大幟と言い、「聖壽無窮・萬民豊楽」「天下泰平・国土安穏」と書かれています。世の人々の願いの代表的な感じです。赤い装束の方が禰宜(ねぎ)です。見えにくいですが馬に乗っていて、沓持(くつもち)もいます。禰宜は宮司の補佐役のような神職の職称のひとつです。
・獅子頭
後ろの人が持っている毛の生えた棒のようなものは、獅子の尻尾なんでしょうか。
・獅子頭
第二梯団
・副宰領
獅子頭が二つ並ぶということは、雌雄なのでしょうか。デザインが微妙に違っています。獅子の尻尾らしきものの後ろを歩いている青い役人姿のような人が副宰領で、ここから第2梯団になります。
・権禰宜
・沓持
・口取
・御神馬
・御弓
・御胡籙(ころく)
・御鉾
・御盾
・御太刀
権禰宜は禰宜に準ずる職称です。御神馬として、宝冠のようなものを鞍に背負った白馬が引かれています。ソダシの後ろに青い装束の軍団が続きます。武具を持った軍団ですが、御胡籙(ころく)は矢を入れる道具です。
・口取
・権宮司
・沓持
・権禰宜
・沓持
栗毛が美しいグラスワンダーに乗っているのは権宮司です。宮司に準ずる職称です。その後ろに見切れそうになっているのが権禰宜です。
・巫女
・舞姫
・童女
皇居坂下門前の神事では、巫女が神楽舞を捧げていました。神に捧げる舞ですが、見ていると神聖な気持ちになれます。
・楽人
・錦旗
楽人は楽しい人たちではなくて、雅楽を演奏する人たちです。錦旗の両側に房がかかっているのですが、見えているのは緑色の房です。錦旗は全部で4本続くのですが、緑(青)が2本、赤が2本となっています。
・菅翳(すげさしは)
・菅蓋(かんがい)
・高張「日枝神社氏子総代連」
・総代連
映っていませんが菅翳という棒の先が円状になった道具がありまして、その後ろから傘の周りに布が垂れたような菅蓋が続きます。偉い人の頭上にかざす傘です。総代の皆様は裃を着ていますね。
第三梯団
・副宰領
・権禰宜
・沓持
こちらから第三梯団になります。誘導している方の向こう側にいる、黄色い装束の兜を被った方が副宰領、青い装束の方が権禰宜です。
・竹棹持
・御綱取
・御鳳輦(ほうれん:一之宮)
・御綱取
・賽物係
一之宮は日枝神社のご祭神である大山祇神を乗せています。神輿の後ろに賽物係が続きます。
・竹棹持
・御綱取
・御鳳輦(二之宮)
・御綱取
・賽物係
こちらの二之宮は、日枝神社の相殿神である伊弉冉神・国常立神・足仲彦尊を乗せています。
・竹棹持
・宮御輿
・賽物係
三之宮は昭和40年に麹町五丁目町会より奉納され、昭和60年に氏子崇敬者によって改修されたことを契機に、神幸行列に加わったそうです。
・宰領
・紫翳
・錦蓋
ここで宰領が登場します。神幸行列の中心部に差し掛かってきました。
・口取
・馭者(ぎょしゃ)
・宮司
・朱傘
・沓持
・馬車付
・権禰宜
・沓持
日枝神社の神職の長たる宮司は馬車で移動です。馬も立派ですね。
・祭典委員長
・祭典副委員長
メルセデスのオープンカーが三台続いて、祭典委員長と副委員長が乗っています。全部レンタカーで、数字が同じナンバープレートでした。
第四梯団
・副宰領
・口取
・禰宜
・沓持
ここから第四梯団に入ります。雄花栗毛の馬ですね。やはり神馬に選ばれる馬は特別な毛色の馬が多いのでしょうか。トウショウファルコ・タイキシャトルを思い出します。
・権禰宜
・沓持
・巫女
・高張「日枝神社氏子総代連」
・総代連
おそらく行列の主要部分は過ぎていて、最後の方だと思います。ここまではむっつり顔で真面目に行列している方が多かったのですが、こちらの巫女さんたちはにこやかで周囲の方々に手を振ったりしていました。
・高張「日枝神社奉賛青年会」
・青年会旗
・高張「日枝神社葵会連」
・葵会連
都心に住む方々の数は増えているかもしれませんが、神社のお祭りや奉賛会に参加する方は減っていると思います。それでもこれだけの行列を見ますと、さすがは日枝神社と感じました。
・竹棹持
・花山車
大きな花山車です。ここからは山車が続きます。どんな山車が渡るのかは決まっている部分と、流動的なな部分があるように思います。
・竹棹持
・像山車
こちらは像の山車ですが、近くで見ると風船感が否めません。後ろからエアーを送る発電機が付いていました。実は山王祭は江戸~昭和にかけて廃れていた時期があって、全盛期の頃の記録を元に復活させている部分もあります。この像山車はまさに江戸時代の山王祭の記録によって復活したものだそうです。
・竹棹持
・干支山車
干支山車というからには、毎回変わるのだと思いますが、2年に一度なら、十二支ではなく、6つで足りますね。
・竹棹持
・神幣を担ぐ猿 山車
猿は日枝神社の神の使いです。日枝神社の氏子地域の中で20ヶ町からなる組織「麹町惣町睦会」が、平成21年に奉納されたそうです。
行列が行き過ぎると、なんだか急に寂しい思いがしました。でもここは私の好きな丸の内仲通りです。祭りの後の余韻と日常の中間のような雰囲気が、また心惹かれる思いがします。行列に付いて日本橋日枝神社に向かう方々や、銀座方面に先回りしてまた見物しようという方などがいらっしゃいました。私はここから地下鉄に乗って永田町の日枝神社に向かいました。
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