寺社探訪

寺社探訪とコラム

コラム

「お葬式司会者の七つ道具」

お葬式の司会者は司会だけではなく、葬儀の運営に関わる設営撤去や案内業務もしますし、葬儀の担当者が司会をすることもあります。司会専業で生計を立てている方はひと握りだと思いますが、フリーランスの方、派遣事務所に所属している方、葬儀社の正社員、…

「神仏:造化の三神」

日本神話がわかりにくいのは、まずは神様の名前が難しいことが大きな要素だと思います。天之御中主神とか、高皇産巣日神とか、漢字を見ても読めません。しかも日本神話は扱われている書物によって同じ神様の名前が違ったり、更に和魂や荒魂という性質で名前…

「神社の格付 ③」

第3弾が完結編になります。昔の人々は神様との関わりを、政治で管理していました。明治維新で更に多くの政策を実行し、日本は「天皇を中心とした神の国」になろうとしていました。もしも戦争に負けていなければ、令和の天皇は神様として存在していたことで…

「神社の格付 ②」

前回は神階と社格(一之宮)について解説しました。今回は社格の代表的な延喜式神名帳と、明治維新による近代社格制度を解説します。 延喜式神名帳 近代社格制度 延喜式神名帳 律令制の時代、中央集権国家を築くために、法を制定し、統治した土地に秩序を作…

「神社の格付 ①」

どこの神社にお参りしたら、良いことが有ったとか無かったとか、人それぞれなのが神頼みの現実です。そうであっても、昔の人々はそんな神様にランク付けをしていました。これは願いを叶えるパワーの順番ではなく、古き伝統に基づいた格式(政治力説あり)順…

「宮型霊柩車」

先日、数年ぶりに宮型の霊柩車が走っているのを見かけました。ほぼ需要が無いと思われますが、稼働できるように維持しているのは大したものです。 私が葬儀業界に入った頃(26年前)は既に洋型霊柩車が主流になりつつありましたが、宮型霊柩車もまだまだ走っ…

「神仏:地蔵菩薩」

仏教の目的は悟りを開くこと、つまり輪廻転生の苦しみから解脱することです。悟りを開くと、仏(如来)に成ります(成仏)。当ブログのコラム「神仏シリーズ」の解説をおさらいしますと、釈迦族の王子ゴータマ・シッダールタが悟りを開いて、釈迦如来になり…

「共病文庫 コロナ感染中」

ドライバーの仕事を終えて帰宅中、咳が出ないのに喉が荒れているのです。なんだこれはと不思議な感覚。家に着いて風呂に入り夕食を済ませると、なんだか体が熱い。熱を測ってみると37.5℃ありました。 症状 仕事の段取り 発熱外来 厚労省のガイドライン 自宅…

「お墓の事情」

昨今のお墓事情では、分譲墓地を代々継承する従来のお墓とは違った、新しいタイプのお墓が登場しています。特徴としては、跡継ぎのない方や子孫に負担をかけたくないと考える方向けに、管理費や墓じまい費用などを含めて、購入時以外に費用が発生しないタイ…

「神仏:阿弥陀如来」

5月にレポートした九品仏浄真寺の「おめんかぶり」という行事は、西方極楽浄土から阿弥陀様がお迎えに来て、極楽浄土に導かれていくというストーリーを具現化したき゚ものです。 浄土信仰 日本での浄土信仰の広がり 浄土宗 浄土真宗 東京の阿弥陀如来像 末…

「新興宗教の葬儀」

江戸時代の寺檀制度が現在も機能していて、信仰が親から子へ受け継がれ、一族全員が同じ寺院の檀家になってきた歴史が続いています。そんな一族の信仰から抜け出して、自分が信じる宗教を信仰するには、それなりに気持ちの強さが必要です。 例えば自分の配偶…

「クールビズが遠い職業」

小池都知事は最初の都知事選の時、自分こそがクールビズを社会に広めたのだとアピールしていましたが、残念ながらまだ届いていない業界があります。 だいたい私はマイカー通勤ですが、真夏に電車通勤をすると、ふと世の中との差を感じてしまいます。世の中の…

「神仏:不動明王」

前回の釈迦如来に続きまして、今回は不動明王にスポットを当ててみます。日本では馴染み深く、不動明王を本尊にする寺院も多いです。不動明王に関して私がお伝えしたいのはただひとつ。不動明王は仏教の一尊ですので、神道の神様ではありません。お不動様に…

「お盆って何?」

愛猫が眠る深大寺動物霊園から、7月15日に深大寺の僧侶に読経をいただいて、盂蘭盆会が行われるというお知らせが届きました。 お盆の由緒 日本のお盆 お盆の風習 ① 準備 お盆の風習 ② 本番 お盆の風習 ③ 施餓鬼供養 お盆の由緒 動物霊園からのお知らせの通…

「神仏:釈迦如来」

寺や神社で頭を垂れて手を合わせて拝みますが、その対象は何なのか? 自分の欲望を訴えることには一生懸命なのに、誰にお願いしているのかすら知らないというのも失礼な話です。神社や寺院に安置されている神仏について、触れてみたいと思います。 仏とは 釈…

「無宗教葬儀」

先日、無宗教葬儀の司会の依頼がありました。現在でも9割以上が仏式葬儀ですが、無宗教形式の葬儀もコロナ禍による葬儀の簡素化のため、少しずつですが増えているようです。無宗教葬儀に興味のある方や、仏式葬儀に違和感がある方、お布施を払いたくないと…

「僧の修行:性暴力事件と日本仏教」

天台宗の僧が14年に渡って女性を精神的に監禁し、性暴力や恫喝を繰り返したという事件がマスコミによって明るみになりました。 目次 日本式責任の取り方(逃れ方) 金など要らぬ スーパースター 天台宗の正念場 僧の修行とは 日本式責任の取り方(逃れ方) …

「僧の修行:苦行と性暴力事件」

僧の修行についての続編です。人々から尊敬され、多額の浄財を施され、税の優遇を受け、死者をあの世に送る力を持つ僧侶の修行とは、いかなるものでしょうか。 修行といえば苦行 修行の目的 修行の結果 修行といえば苦行 僧の修行としてイメージしやすいもの…

「僧の修行:修行って?」

僧の修行といえば、超絶厳しくて一般人にはとても耐えられるものではなく、そんな修行を乗り越えた僧は、類まれな能力と人間性を身につけた特別な存在です。というのが世の通説です。果たして僧の修行とはいかなるものか、考察していきたいと思います。ちな…

「僧になるには」

三宝に帰依することは仏教徒の第一歩です。三宝とは、釈迦=「仏」、釈迦の教え=「法」、釈迦の教えを説く人=「僧」のことで、帰依する=「自分自身の拠り所とする」ということです。芸人の千原せいじさんが僧になりましたが、今回は「僧になる」というテ…

「法然と極楽浄土」

GWに九品仏浄真寺へ二十五菩薩来迎会、通称「お面かぶり」を見学に行きました。一見すると滑稽に見える行事だが、その実は素晴らしかったという話を葬儀業界の仲間に話しました。するとその話が、お世話になっている浄土宗寺院の副住職に伝わりました。副住…

「お寺でパンパン問題」

ここ数年、ひとつの問題に答えを見出すべく悩み続けています。 とある寺院を訪れたときのこと。本堂でお参りをしていたら、隣に親子連れがいらっしゃいました。お父さんは神仏に真面目に向き合うことを息子に教えようと、厳しい口調で言いました。「礼して、…

「共病文庫 ⑨」

「生・老・病・死」は「四苦」と言って、仏教では人生を代表する苦しみとされています。 桜が咲く前に入院し、手術を受けました。新人看護師さんたちが社会人の第一歩を踏み出す場面を垣間見て、自分も頑張らなくてはとエネルギーを貰いました。 退院予定 入…

「共病文庫 ⑧ 」

「生・老・病・死」は「四苦」と言って、仏教では人生を代表する苦しみとされています。 手術後、様々な苦労をすることになりますが、様々の中身をご紹介できればと思います。 やったー ICU2日目の夜に、里見先生かやってきました。私を見るなり「やったー…

「共病文庫 ⑦」

「生・老・病・死」は「四苦」と言って、仏教では人生を代表する苦しみとされています。 手術は予定通り終わり、この世に戻ってくることができました。 手術 朝8時半に看護師さんに連れられて、家族と共に手術室まで行きました。立会に来なくて良いとか言っ…

「共病文庫 ⑥」

「生・老・病・死」は「四苦」と言って、仏教では人生を代表する苦しみとされています。 決して全幅の信頼を置くことを許さない病院に入院して1週間が過ぎました。いよいよ手術の日を迎えます。悪い可能性が重なれば、これが最後の投稿となります。 わだか…

「共病文庫 ⑤」

「生・老・病・死」は「四苦」と言って、仏教では人生を代表する苦しみとされています。 いよいよ入院です。不安が多いですが、大人なので所定の時間に所定の準備をして病院にやってきました。 庶民の憂鬱 入院手続きを済ませると、病室へ向かいます。前回と…

「共病文庫 ④」

「生・老・病・死」は「四苦」と言って、仏教では人生を代表する苦しみとされています。 手術前の検査入院から帰り、次の入院までの1ヶ月間、マッハのごとく日々が過ぎていきます。 例えば僕が死んだら 以前ダイソーの通販を利用した際、買物総額を1000円以…

「共病文庫 ③」

「生・老・病・死」は「四苦」と言って、仏教では人生を代表する苦しみとされています。 不穏だった医師との関係も何となく改善し、手術前の4日間の検査入院を終えました。 金次第 病院を出る前に、次回の入院についての手続き、病室の希望などの説明があり…

「共病文庫 ②」

「生・老・病・死」は「四苦」と言って、仏教では人生を代表する苦しみとされています。 内科医と外科医から違う手術の説明を受け、戸惑っていたところ、やりたい手術を考えて来いと帰されてしまいました。 黒い妄想 翌月手術の予定が無くなり、考える時間と…