コラム
東京都心部の民営火葬場の利用料金の高騰に、東京都が本腰を入れて乗り出すことになりました。 東京都には公営火葬場もありますが、火葬場は居住エリアにこそ必要なものなので、遠くのエリアに公営火葬場があっても、近隣の民営火葬場を利用せざるを得ないの…
「お布施はお気持ちで⋯」と言っても、本当にお気持ちに従っては不都合がありますので、一応の相場を守るのが通説です。そんな中、私の知る中でお気持ちに応えたお坊さんが1人だけいらっしゃいました。毎回お葬式の度に、遺族に「いくらお布施しました?」と…
交通事故で死亡した被害者の葬儀に、加害者側が参列することをどう思いますか? 死亡事故ですから、加害者が警察に拘留されている場合もあり、加害者の家族や代理人(弁護士)が参列することもあります。 被害者側の気持ちとしては、反省して償う気持ちがあ…
今回はとても印象深い喪主のお話です。故人は90代のお婆ちゃんで、喪主は長男で独身。親族は30名ほどいらっしゃいましたが、芸術関係の方が多く、皆さん中々個性的な方々でした。と言っても、私は変わった人が好きなので、常識を外れた言動は苦になりません。…
今回は私が経験してきたお葬式の中でも、トップクラスに酷い喪主のお話をしましょう。 奥様が故人、ご主人が喪主で、お子様はいないというお葬式のお話。夫婦ふたりで寄り添って歳を重ね、ご主人ひとり遺されて………と、勝手な想像をしても、現実はそんなステ…
自分のお葬式は自分の思い通りにしたいですし、どんな生き方(死に方)をしても、自分にはその権利があると思いますよね。昨今はエンディングノートも普及していて、自分のお葬式はこんな風にしてほしいという想いを残すことも多くなったのではないでしょう…
天台宗の僧侶による性暴力事件の続報がありました。 www3.nhk.or.jp 事件の概要を簡単に説明しますと、とある女性が僧になろうと親戚の僧侶にお願いしました。この親戚の僧侶という方が、天台宗の僧階の最高位である大僧正であり、比叡山の千日回峰行を満行…
フリーランス葬祭スタッフをしていた頃の私の1日をご紹介します。以前書いたものを加筆修正してお届けいたします。人々に助けられながらなんとか26年間続けられましたが、フリーランスなので、仕事があれば仕事、仕事がなければ休みという毎日です。若い頃…
家族葬の流行とコロナ禍によって、2020年あたりから葬儀業界を離れていく人たちが増えました。あの人も、この人も、望まない現実を受け入れて、葬儀業界を去っていきました。 就職は人の尊厳に関わるので、センシティブで個人的なものです。特にネガティブな…
先日仕事をしていると、近くの小学校から「東日本大震災で亡くなられた方々に黙祷を捧げましょう」というアナウンスが聞こえてきました。その日は3月10日だったので、思わず「明日でしょ?」と思ってしまいました。 すぐに自分の浅はかな考えが恥ずかしくな…
布教の過程で各地に門徒勢力が生まれ、分派独立していった浄土真宗ですが、本願寺派の成立から石山合戦までを前編で解説いたしました。後半はいよいよ東西分派についてのお話です。 京都へ戻る 顕如派 VS 教如派 東西分派 西本願寺と興正寺 お東騒動 親鸞は…
西本願寺と東本願寺をレポートしたので、浄土真宗の西と東の分派の歴史とその背景などを解説したいと思います。 本願寺派の成立 中興の祖 蓮如 石山合戦(本願寺 VS 織田信長) 本願寺派の成立 浄土真宗は多数の分派がありますが、宗祖は一様に親鸞となって…
先の衆議院議員選挙で、世襲議員の立候補に一定の制限を設けるべきという意見がありました。世襲が政治と金の問題の要因になっているとか、他の人々が議員になる機会が奪われるとか、理由はそんなところ。僧の世襲は国会議員以上に多く、後を継いで当たり前…
30年という節目の年なので、多くのメディアが特集を組んで報道したことと思います。生まれ故郷がぐちゃぐちゃになった姿をTVで見た記憶がまだ鮮明に残っています。 「1.17の集い」という追悼イベントが、震災から絶えず開催されています。神戸では東遊園地で…
2024年も人生最速で過ぎ去ってゆきます。今年は私的には激動の一年でした。最近「途中で話がややこしくて面倒になる⇔最初から見直す」の無限ループだった「進撃の巨人」をやっとエンディングまで観ました。ブログ的には頑張った部分も、ダメな部分もありまし…
御朱印集めを寺社訪問の目的のひとつにしている方も多いと思います。そもそも御朱印は寺院に納経(写経を納める)した際に、領収印としていただいたものだったそうです。御朱印帳ではなく納経帳と読んだりと、宗派によっても違いがあって、御朱印を授与しな…
お葬式の司会者は司会だけではなく、葬儀の運営に関わる設営撤去や案内業務もしますし、葬儀の担当者が司会をすることもあります。司会専業で生計を立てている方はひと握りだと思いますが、フリーランスの方、派遣事務所に所属している方、葬儀社の正社員、…
日本神話がわかりにくいのは、まずは神様の名前が難しいことが大きな要素だと思います。天之御中主神とか、高皇産巣日神とか、漢字を見ても読めません。しかも日本神話は扱われている書物によって同じ神様の名前が違ったり、更に和魂や荒魂という性質で名前…
第3弾が完結編になります。昔の人々は神様との関わりを、政治で管理していました。明治維新で更に多くの政策を実行し、日本は「天皇を中心とした神の国」になろうとしていました。もしも戦争に負けていなければ、令和の天皇は神様として存在していたことで…
前回は神階と社格(一之宮)について解説しました。今回は社格の代表的な延喜式神名帳と、明治維新による近代社格制度を解説します。 延喜式神名帳 近代社格制度 延喜式神名帳 律令制の時代、中央集権国家を築くために、法を制定し、統治した土地に秩序を作…
どこの神社にお参りしたら、良いことが有ったとか無かったとか、人それぞれなのが神頼みの現実です。そうであっても、昔の人々はそんな神様にランク付けをしていました。これは願いを叶えるパワーの順番ではなく、古き伝統に基づいた格式(政治力説あり)順…
先日、数年ぶりに宮型の霊柩車が走っているのを見かけました。ほぼ需要が無いと思われますが、稼働できるように維持しているのは大したものです。 私が葬儀業界に入った頃(26年前)は既に洋型霊柩車が主流になりつつありましたが、宮型霊柩車もまだまだ走っ…
仏教の目的は悟りを開くこと、つまり輪廻転生の苦しみから解脱することです。悟りを開くと、仏(如来)に成ります(成仏)。当ブログのコラム「神仏シリーズ」の解説をおさらいしますと、釈迦族の王子ゴータマ・シッダールタが悟りを開いて、釈迦如来になり…
ドライバーの仕事を終えて帰宅中、咳が出ないのに喉が荒れているのです。なんだこれはと不思議な感覚。家に着いて風呂に入り夕食を済ませると、なんだか体が熱い。熱を測ってみると37.5℃ありました。 症状 仕事の段取り 発熱外来 厚労省のガイドライン 自宅…
昨今のお墓事情では、分譲墓地を代々継承する従来のお墓とは違った、新しいタイプのお墓が登場しています。特徴としては、跡継ぎのない方や子孫に負担をかけたくないと考える方向けに、管理費や墓じまい費用などを含めて、購入時以外に費用が発生しないタイ…
5月にレポートした九品仏浄真寺の「おめんかぶり」という行事は、西方極楽浄土から阿弥陀様がお迎えに来て、極楽浄土に導かれていくというストーリーを具現化したき゚ものです。 浄土信仰 日本での浄土信仰の広がり 浄土宗 浄土真宗 東京の阿弥陀如来像 末…
江戸時代の寺檀制度が現在も機能していて、信仰が親から子へ受け継がれ、一族全員が同じ寺院の檀家になってきた歴史が続いています。そんな一族の信仰から抜け出して、自分が信じる宗教を信仰するには、それなりに気持ちの強さが必要です。 例えば自分の配偶…
小池都知事は最初の都知事選の時、自分こそがクールビズを社会に広めたのだとアピールしていましたが、残念ながらまだ届いていない業界があります。 だいたい私はマイカー通勤ですが、真夏に電車通勤をすると、ふと世の中との差を感じてしまいます。世の中の…
前回の釈迦如来に続きまして、今回は不動明王にスポットを当ててみます。日本では馴染み深く、不動明王を本尊にする寺院も多いです。不動明王に関して私がお伝えしたいのはただひとつ。不動明王は仏教の一尊ですので、神道の神様ではありません。お不動様に…
愛猫が眠る深大寺動物霊園から、7月15日に深大寺の僧侶に読経をいただいて、盂蘭盆会が行われるというお知らせが届きました。 お盆の由緒 日本のお盆 お盆の風習 ① 準備 お盆の風習 ② 本番 お盆の風習 ③ 施餓鬼供養 お盆の由緒 動物霊園からのお知らせの通…