秩父橋を渡り、国道299号線を秩父市中心部に向かって南下しております。
あの日見た花の名前②
荒川 百所巡礼 第225番 庚申(猿田彦大神)
後ろに倒れてしまいそうな祠がありました。石碑が3つ(だったか?)ご安置されていて、中央に猿田彦大神の石碑がありました。日本神話に道案内の神様として登場することから、集落の入口に道祖神や塞の神のように祀られることが多いです。
荒川 百所巡礼 第226番 定林寺
外観がかなり味のある感じです。定林寺は曹洞宗寺院で、本尊は十一面観音菩薩です。秩父三十四観音巡礼の17番で、私の荒川百所巡礼では226番です。そんなにたくさん巡ったかなと、思い出すことも困難です。
秩父の寺院は札所巡りのために、御朱印を求める方が多いようです。定林寺では常駐の方がいる授与所がありました。私が御朱印を集めないのには、いくつかの理由がありますが、御朱印集めをしている方を否定したい気持ちは全く湧きません。
住宅地の中の寺院ですが、鐘楼堂もあり、埼玉県の文化財に指定されています。こちらにはお参りをしてから鐘をつくように書かれていました。
天井もすごいです。情報量が多くて絵に描きたいと言いますか、アニメの聖地になっている理由がわかる気がします。あのアニメは秩父市の中心部全部が舞台になっているので、定林寺だけではないのですが、主人公たちの溜まり場の一つとして描かれています。
荒川 百所巡礼 第227番 稲荷社
定林寺から秩父駅方面に向かう途中に小さな稲荷神社がありました。
国道299号線秩父駅周辺です。さすがに古き良き的な雰囲気があります。銀行やコンビニも景観配慮の看板になっていました。
秩父総鎮守
荒川 百所巡礼 第228番 柞祖霊社
ついに秩父の象徴でもある秩父神社のエリアに入ってきました。この神社は、秩父神社の氏子の歴代の家系の祖霊を祀る祖霊社を、神社として創建したものです。ちなみに「ははそ」の読みます。
祖霊社を境内に祀るのはよく見ますが、祖霊社を神社にしているのは初めて見ました。社殿も祖霊社っぽいですが、こちらは長野県安曇野市の古社、穂高神社の式年遷座の旧神殿を用材に譲り受けて改修したのだそうです。
祭り囃子が聞こえてきたので見てみると、すぐの場所に秩父まつり会館がありました。秩父神社の例祭は秩父夜祭として有名です。国の無形文化財に指定されていて、日本三大曳山祭のひとつだそうです。12月の2日3日に行われますが、この秩父まつり会館に行くと、原寸大の山車も展示されていて、映像で祭りを体感できるそうです。
荒川 百所巡礼 第229番 秩父神社
近くを通過したことは何度かあるのですが、ついに秩父神社に足を踏み入れる時がやってきました。六甲山の麓で生まれ育ったので、奥多摩や秩父には親しみと思い入れがあります。さすがに平日でも観光客で賑わっていました。
当ブログのコラムに造化の三神を解説しましたが、秩父神社の御祭神には天之御中主神が祀られています。他に高皇産霊神の子、思兼神もお祀りされています。
創建は崇神天皇10年(紀元前88年)とのことで、2100年を超える歴史があります。それほど広い境内ではありませんが、見どころがたくさんあって、見逃したくないので3周もしてしまいました。
さて、秩父神社に別れを告げ、国道299号線に戻りました。この企画は荒川に沿って歩くというものですが、今回は荒川は登場しません。秩父橋を荒川左岸から右岸に渡ったので、進行方向を見て右手に荒川が流れているはずです。
歩道の杭にダルマが並んでいます。これは近くの虚空蔵禅寺で開かれるダルマ市の関係かと思われます。1月のこと虚空蔵尊の縁日に開かれ、多くの露店が出て賑わうのだそうです。
風情のある通りを進みます。おそらくこの秩父市中心エリアを過ぎると、長閑な風景が続くと思われます。無いときは自販機すらなかなか遭遇しませんからね。
龍が宿る大木
荒川 百所巡礼 第230番 秩父今宮神社
多秩父神社に続いて、大きな神社がありました。今宮神社です。御祭神と歴史を見る限り、京都の今宮神社神社とも、大阪の今宮戎神社とも関係なさそうです。
と申しますか、境内に入った瞬間から神仏習合の名残がそこここに見られます。役行者もお祀りされていて、修験道とも集合していた、いわゆる山岳信仰強めの寺社ミックスでした。
特に境内中央にドカンと存在している樹齢1000年を超えると言われる欅の木は、八大龍王が宿る御神木となっています。西暦100年頃に信州諏訪方面から移住してきた人々が、武甲山から恵まれる水の泉に水神様を祀ったのが始まりです。そこに国生みの神イザナミ・イザナミが祀られ、西暦672年前後に、役行者が秩父にやってきて八大龍王を祀りました。平安時代になって神仏習合が進みます。宮中八神・大日如来・熊野権現・スサノオなど、神仏習合の一大拠点となっていたそうです。
荒川 百所巡礼 第231番 今宮観音堂
秩父今宮神社から少し住宅地を歩いた場所にあります。明治維新の神仏分離令によって、秩父今宮神社から分離された観音堂です。
摩尼車があります。そもそもは神仏習合の寺院で、京都の本山修験宗の総本山である聖護院の末寺だったそうですが、現在は臨済宗南禅寺派の寺院ということです。住職のいないお堂で、近隣住民による護持会が管理しているそうです。
荒川 百所巡礼 第232番 慈眼寺
秩父三十四観音札所巡りをする方のために案内看板が立っているので、寺社を探す手間がかかりません。慈眼寺は曹洞宗の寺院です。文明18年(1486年)創建の寺院ですが、明治時代に火災でほぼ焼失し、その後再建されました。
それでも100年の歴史を十分に感じる本堂は、精緻な構造と彫刻が見応えあります。他にも目の仏様として、薬師瑠璃光如来が安置されている薬師堂やお稲荷様がありました。
さてこのあたりか秩父市中心部の秩父鉄道「お花茶屋駅」や、西武鉄道「西武秩父駅」あたりです。この先は山深いところへ向かいます。荒川が全く登場しませんでしたが、次回は渓谷美が見られると思います。
ーーーーーーーーーーーーーーー